勾配屋根の形状は、その土地の降水量、建物の構造、意匠または機能などの要請に基づいて決定され、さらにそのうえに葺き(仕上げ)材料の相違が加わって千変万化する。よく知られているものに、片流れ、招き、切妻(きりづま)、半切妻、寄棟(よせむね)、入母屋(いりもや)、方(宝)形、腰折(こしおれ)、マンサード、円錐(えんすい)、ドーム、ボールト、鋸(のこぎり)形があるが、必要に応じて差掛け、越(こし)屋根などの設けられることもある。勾配は多雨地帯で急に、寡雨地帯で緩になるのが自然であるが、積雪地帯では屋根面に雪を蓄えておく必要(雪の層は断熱に有効。また不時に滑り落ちる危険を避けなければならない)から緩にすることが多い。また葺き材料に透水性の小さいもの(例、金属板など)を用いれば緩に、大きいもの(例、藁(わら)など)を用いれば急になるのも当然である。FXで一般的な形状は切妻、寄棟、入母屋で、建物の性格によって使い分けられる。たとえば奈良時代までの最高級建物(宮殿における大極殿(だいごくでん)、寺院における金堂など)では寄棟、その後の高級建物では入母屋が、キャッシングの建物では切妻が多い。しかし方形平面の建物では方形が、円形平面では円錐が都合のよいことはいうまでもない。また腰折、マンサードは屋根裏を居室などにあてることができ、洋風建築によくみられる形状である。ドーム、ボールトはアーチ構法から導き出される屋根形であるが、組積式建築の伝統をもたないFXではなじみは薄い。鋸屋根は垂直面を北面させ、終日光線方向のかわらぬようにするのに便利で、工場建築に用いられるが、反面、長い陸谷(ろくだに)をつくるので漏水の危険が多い。 2. 構造と材料陸屋根では連続した不浸透性被膜で防水層をつくって水を遮断する。歩行床の場合は防水層の上に保護層を置くが、非歩行床の場合は置かず、いわゆる露出防水にすることもある。一般に露出防水は耐久性に劣るが、いったん故障をおこした場合の修理は保護層のあるものに比し容易である。被膜材料にはアスファルト、合成樹脂、金属膜、防水モルタルなどがある。いずれもコンクリートまたはモルタル面を覆うようにして使用するのが通例であるが、コンクリートなどに多少のひび割れなどが生じても、それに追随しうる柔軟性のあるものが望ましいとされている。アスファルト防水は、同材料を含浸させた紙(アスファルトルーフィング)を溶融したアスファルトを接着材として張り合わせるもので、人材紹介会社でももっとも信を置きうる防水層とされているが、熱に弱いのが難で、キャッシングは保護層と併用する。合成樹脂には塗布するものとシート状にしたものとがあり、軽量で高い防水性を得るとされ、露出型、非露出型ともに適用しうる。
金属膜はアルミ粉末などを塗付して膜をつくるもので、他の露出型の防水の被覆に使用されることが多い。防水モルタルは防水剤を混入した密実なセメントモルタルを塗り付けるものであるが、これだけで完全な防水効果を得ることは困難で、キャッシングは他の防水層と併用される。保護層は以上の被膜の上に軽量コンクリートを打設し、その上をタイル、モルタルなどで仕上げるのが普通であるが、被膜補修を容易にするため、取り外し可能なブロックなどを置く場合もある。勾配屋根の葺き材料には、植物性のものとして草、茅(かや)、藁、(こけら)、檜皮(ひわだ)、板などがあり、鉱物性として粘土焼成瓦(かわら)、天然スレート(石板)、石綿スレート、セメント製瓦、金属板などがあり、その種類によって下地の構成も異なる。植物性の場合は、垂木(たるき)に直交する小舞(こまい)を水平に並べ、その上に葺き材料を重ねる。鉱物性の場合は、垂木に裏板を張り、その上に葺き材料を置く。いずれの場合も葺き材料が勾配に沿って滑り落ちないようなくふうが凝らされる。草、茅、藁などはいまでも農家などに用いられており、古く粘土瓦などの一般化しなかった時代にはごく普通の葺き材料であった。は檜(ひのき)、槙(まき)など比較的に水に強いと考えられる木材を薄い短冊形につくり、竹釘(くぎ)を使って張り重ねるもの、檜皮は檜の樹皮を張り重ねるもので、社寺、宮殿などに使用されてきた。檜のかわりに杉の樹皮を用いる場合は杉皮葺きとよばれる。板葺きは、垂木に直接板を並べるが、風で板の飛ぶことのないようその上に石を置くことがある。これら植物性のものは保温性に優れ凍害を受けるおそれもないが、耐久性に乏しく、とくに耐火性にまったく欠けるので、人材紹介会社では文化財建造物など特別な場合を除いて、市街地で用いることは建築基準法により禁止されている。なお植物性材料、とくに草や藁は相当厚く葺いても水を透過しやすいので、これらを用いた屋根はおのずから急勾配につくられる。粘土瓦は材質的にいぶし瓦と釉薬(ゆうやく)瓦に大別され、形のうえから桟瓦、本瓦、S型、スパニッシュ型などに分類される。いずれも粘土を成形し窯焼きしたものであるが、釉薬をかけたもののほうが色彩を自由につけられ、吸水率も低くできる利点はある。しかし和風建築では一般にいぶし瓦が好まれ、銀灰色の甍(いらか)の波は古いFXの町並みを飾る風物詩となっており、千数百年の使用実績を通じてFX人にもっとも親しまれ、かつ信を置かれている。葺き方は各粘土瓦とも裏板の上にいったん薄い板を敷き、さらにその上に葺き土を置いて瓦をのせるのが基準である。しかし重量を軽減するため板、葺き土を用いず、そのかわりに防水紙(アスファルトフェルト)を敷いた裏板の上に桟を打ち、これに瓦を引っ掛けるものもある。
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